10月15日・幕張メッセ
ということで2日目。ホテルのチェックインギリギリまで部屋で待機。始めは着替えてベッドに転がっていたのだが、ホテルの部屋というのはけっこうホコリが多いもので、気がついたら黒ずくめの服がほこりまみれ。それを必死に落としていたら時間があっという間に過ぎていったのであった…
この日は11時半過ぎに会場着。
・BLOODSIMPLE
もともとはちゃんと見る予定ではなかったのだが(ファンの方すいません)たまたま目に入った会場真ん中のスクリーンに左利きのベーシスト(私は左利きなので、左利きのギターとかベースに過剰反応する)が映り、それに続いてなまはげ、違う、何か鬼の面のようなものをかぶったヴォーカリストが映ったので、ふらふらステージへ歩いていってしまう。
で結局最後の曲まで見てた。
最後の曲でどこからともなく誰か出てきてヴォーカルを取り、その曲のうちに去っていった…
もう観客の頭の上に足が見える。まだ午前中だよ。明るいよ。いいイベントだよ。
早速余談だが、この日は参加バンドの性質上、お客さんの上に足が見えるという状況が多かった。それを思い返していたら、その2週間前に上野の美術館で見た「イカロスの墜落」という絵を思い出した。
今日の「最低でもここから」はここ。
写真で見るとちょっと妖艶とまではいかないがクールなイメージがあったのだが、実際に動いているところを見るとシャロン嬢はむしろ「可憐」て感じ。声もキレイだし。
余談:昼過ぎ、昨日のOPETHとあまり変わらない時間だったろうか、協賛各社ブースに人だかりができていたので、間から中を覗くと坊主頭の人がいたのでもしやと思ったら、いちばん端にシャロンさんがいた。サイン会だった。
ここから先は曲はともかく名前もあまり記憶がないバンドが続くのだが、この人たちめちゃくちゃ人気あった。知らなかった。確かにものすっごく圧倒された。真ん中やや後ろの方にいて、どうやら私のまわりもあまり知らない人が多かったと思うのだが、みんな見入ってるか曲が進むにつれてノリ始めるかどっちか。名前覚えて帰った人も多いんじゃないかと思う。思いたい。
ちなみにサム・ダン監督は今日も取材中。LAMB OF GODの演奏中は客の間にも現れる。私の隣をすり抜けていきましたよ。
…
ここでTシャツ売り場を再び訪れ、昨日書いたとおりOPETHのTシャツがそもそも売ってなかったことにガッカリ&後悔しつつ昼食。タイ焼きそば。ちょっと辛め。その流れでCOCOBATをちょっとだけ見て、ふらふらUNHOLYへ戻る。
・MASTODON
また名前も曲もあまりよく知らないバンド。でもLOGとはまた違う。なんか怪しい雰囲気。
でかい画面にドラムが映る時間がすごく増えたような気がする。確かにすごかった。
ここで「最初を見ちゃったらもう動かない」ルールを破り、初ULTIMATE STAGEへ。
・THE BLACK DAHLIA MURDER
今やってる例の映画とバンド名の由来は一緒なのかしら、やっぱり。
まず、ぷよぷよしたおなかに目が行く(すみません)。また、あのメガネはただかけているだけではなく、ゴーグルみたいにすぐ外れないタイプらしい。そこまでメガネにこだわる理由はなんだ。また、「SLAYER楽しみかあ!俺もだ!!」みたいなコメントを言っていて面白かった。
ステージが少し小さいので、そうするつもりはなかったのだが結構近かった。なので、初めてモッシュというものを生で見た。私が入ったら3歩で転んで踏まれるな、と思った。盛り上がりましたよ。こっちもドラム速かった。MCは5秒…うーん、3秒にいちどぐらいピー音が入りそう。自分が見た中では放送禁止用語使用率1位だ。
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そのあと大きいほうへ戻ったら、HATEBREEDの最後の曲だった(なんでいつも最後の曲とか最後の挨拶のときとかになるんだろう)。このバンドもいわゆるクリーンヴォイスのバンドではないのだが、ややヒップホップ寄りというかハードコア?タテノリ?という感じ。サビ(この手の曲の場合もそれでいいの?)は歌いやすくて参加してたら楽しかったかも。
・IN FLAMES
サビに入ってようやくオープニングが「PINBALL MAP」だったことに気づく。知っている曲が少ないのともうだいぶ耳がやられているのと音響がなんだかなのとで、ざくざく弾いているギターは判別不能になってきた。いいのかこれで。
…
ここで夕食。座る場所を探していたらULTIMATEのSURVIVEがラストの曲をやるところだった(またかい)。「これから(ツアーで)いろんなところに行くので、近くに来たら見に来てください」「今日はありがとう」と直球のMCが聞こえて昨日のことを思い出す。
そのまましばし休憩。KILLSWITCH ENGAGEが聞こえてくる。あれ、クリーンヴォイスあるね。ちょっと興味があったけれど、しんどいのでそのまま座ってる。
写真しか見たことがなかった私はアレキシ・ライホが「美形」と言われていることにすこし懐疑的だったのだが(ごめんなさいごめんなさい)、この日で考えを改める。実物のほうがはるかにいい。写真写りがもったいない。カッコよかった。あとギターとキーボードのハモリというのも好み。そういえばキーボードにアンドリュー先輩のシールが貼ってあったのがでかい画面にばっちり映った。
・DIO
ヨンネ様にも興味はあったが、やはりこちらでございましょう。
この日のお客さんのなかに「おじいさんと同い年」なんて人がひょっとしたらいるんじゃないかと思いつつ開演を待つ。
いや予想以上にロニー様の歌がすばらしい。ここにもうひとつ褒め言葉を入れようと思ったのだが、思いつかない。どうしよう。「いいものを見ました」。うー、ちょっとちがう。
しかし休まなければならないのか、各パートのソロが数曲ずつ入る。できればもっとたくさん曲を聴きたかったのだが…あとどうせやるならルディ・サーゾも入れてあげてほしかった。この人を見るのも楽しみだったのだ。でもそれじゃ「お休み」ってわかりやすくなっちゃうか…
・SLAYER
人はすごいものに出会うと驚くより笑ってしまう、というのを最初に聞いたのは「水曜どうでしょう」の本編かDVDの副音声かどこだったか…それはともかく、
そういう体験をこの日したのであった。
デイヴ・ロンバードのドラムで「うほほほほほほ」と…
昨日も書いたがアラヤさんも控えめなMCなのであった。
ちょっとコミュニケーションがうまくいってないところもあったのだが、許してください。会場の音響+すっかり悪くなった耳+非母国語が大多数という状況なので…
それにしてもたいてい「ふふふ…」という笑いで始まるMCは、またしても大変失礼だとは思うのだが「かわいらしい」と…アゴヒゲもえらいことになっており、それであの笑顔ではもう黒サンタさんだ。
さて、SLAYERをみているうちに、「今日の総括」というか「今日のまとめ」というか、DIOとWITHIN TEMPTATIONはやや違うけれども、今日の参加バンドの集約みたいな、そういう感じがしてきた。それじゃこういう音楽ならSLAYERだけ聴いてればいいのかというわけでもないし、今日の(SLAYERに比べれば)若いバンドたちが「SLAYERのこどもたち」というわけでもない。みんなそれなりに大きくなってるわけだし、じゃなんて言おうか。「SLAYERを糧に大きくなったバンドたち」とでも言うか…
・この日の総括
昨日とくらべてちゃんと観たバンドが少なくなった。もともと名前もよく知らない人たちということで、思い切って見ない、休むという選択がしやすかったのかもしれない。しかしやっぱり最後の1曲しか聴かなかったとか、漏れ聞こえてきただけというバンドもかなり気になってはいる。貧乏性ですかね。
自分はどちらかといえば歌にメロディが、なくてもせめていわゆるメロデスみたいにどこかにメロディがあるものが好きなんだなと思った。正直、まだデス方面では「違いがよくわからない」ということがあったりする。
しかし、以前TVKの「ビルボードトップ40」を見ていて、ラップのアーティストさんがどんどん増えてきて、一時期「違いがよくわからない」という状態になったことがある。でもサンプリングとかバックの音が面白かったり気になる人たちが出てくると、それにつれて他の人たちとの違いを感じるようになり、「違いがよくわからない」状態からやや脱却できたのだ。
そういうことがあったので、「どうせみんなクリーン声じゃないし」みたいな姿勢ではなく、「どういう曲をやる人たちなのか」と前向き?に聴いたせいか、より楽しめたのではないかと思う。