とある水
私は現在母とふたり暮らしなのだが、中学校ぐらいまでは叔母家族(母の姉)と一緒に暮らしていた。母が仕事している間、主婦だった叔母が私の面倒をみてくれていた。
その叔母の体調がここ数年あまり思わしくない。医者嫌いで無理してしまうという性分もあるのだが(このあたり母と似ているなと思う)、最近はカゼをひいてもなかなか治らないらしい。
それで母がなにか体にいいものを、と探しているようなのだが、今日、帰宅してきて私に「○○○という水のことをネットで調べてくれ」と言ってきた。
さっそく調べてみると、その水は「クラスター水」というもので、水の分子の集合体が小さい水で、そのため吸収がよいのだという。その他いろいろ体によさそうな宣伝文句が並んでいる。
だがしかし、少し前に「水」「科学」等のキーワードである本が話題になっていたのを覚えていた私は何か引っかかりを感じて、「クラスター水」というもの自体を検索してみた。すると、「クラスターを測定する方法はないので『クラスター水』と宣伝しているものは疑ってかかれ」ということらしいのだ。さらに東京都生活文化局から「気をつけてちょ」というお達しが過去に出ているということもわかった。
こりゃ却下だ。とりあえず「クラスター水は保留(できればやめとけ、のニュアンスで)」と母には伝え、私はその後も検索を続けた。
ここで無知ゆえの悲しさなのだが、「クラスター水」とPRする商品のうち、いくつかは商品名を挙げて直接批判されているものがあった。が、私が調べていた商品については直接名前を挙げて批判されているページが見つからないのだ。しかもこの商品のページを見るとそれら批判されたものとは違うと言っている。
そしてこの商品を取り上げている多数のブログで信用するに足るという根拠にしているのが「特許を取った」ということであった。特許ですか。お仕事柄、特許庁の電子図書館で文献検索をすることもある私である。さっそく検索だ。あっさり発見。読んでみましょう。
…
さらにバカゆえの悲しさである。
えーと…
よくわかんない…
確かに、東京都のお達しで指摘されているクラスター水とは作り方が違いますね。違う方法が載ってます。でも結局クラスターの大きさには言及してないように読めるんだけど…この作り方で作った水で実験したらこういうデータが出ましたよ、ってのは載ってるんだけど、それとクラスターの小さいのというところがつながらない…
「特許をとってるんです!」って書いてこれを評価するブログ書いてる人ってみんな特許公報読んでんの?…
家だとプリンタがないのでディスプレイ上でしか読めないのでちょっとつらい、というのも言い訳にしてみます。明日あたり職場でプリントアウトしてみるか。だからっつってちゃんと読めるかどうかわかったもんじゃないけど…
ああもう自分の頭のボンヤリ加減に腹が立つ。